愛犬が「太り過ぎです」と言われると、何キロがちょうどよいですか?という質問が1番に出てきます。
ですが、伝えられる体重はあくまで現体格での目安。
ダイエットの結果、軽い脂肪は減り、重い筋肉がつくと体格のバランスは変わるため、体重だけを目安にダイエットはできません。
この記事では、肥満の評価基準や、愛犬にあげる食事の正しい考え方を解説しています。
難しい手作り食や、毎食の野菜のトッピングなどに負担を感じる必要もありませんので、続けやすいダイエットです。
フードに記載されている1日の給餌量はあくまで目安。
おやつや運動の量などで、1頭1頭の適切なフード量は異なります。
フードの目安量をそのまま与えると、犬が太ったり痩せたりする原因に。
これから解説するポイントをおさえて体重管理のエキスパートになりましょう!
犬のダイエットフードはたくさん食べれて栄養バランスもばっちり♪
市販されているダイエットフードは、カロリーが抑えられ、繊維でかさ増しされています。
そのため、量としては多く食べることができるので、たくさん食べたいワンちゃんにも充分に満足感を与えられます。
通常のフードをダイエットのために減らして与えると、必要な栄養が不足してしまいますので、ダイエット専用のフードを与えることをおすすめしています。
また、適度な運動で筋肉を維持し、エネルギー代謝を促すことは大切ですが、実は運動だけで犬のダイエットを成功させるのは至難の技です。
もともと動くことに適した体のつくりのため、相当運動しなければカロリー消費が期待できず、おやつの与えすぎなどの見直しが中心になります。
人間のダイエットは、ケーキなど誘惑に負けてつい買ってしまうこともありますが、犬はあなたの与えたものしか食べられませんので、肥満は飼い主の責任になります。
あなたがあげていなくても、家族がこっそりあげていた、ということもありますから、愛犬の健康のために、今一度家族で目標を確認しましょう。
おやつはフード!?あげるなら量より回数が大切
すでにおやつの味をたくさん覚えてしまっているワンちゃんには難しいですが、おやつではなくフードをご褒美にできることが理想です。
成長期の子犬の時期や、食欲が旺盛なワンちゃんは、ジャーキーなどのおやつを与えなくても、フードで充分に嬉しいご褒美になります。
お留守番などのご褒美として時々おやつを与えるのであれば構いません。
ですが、フードをご褒美にできると、毎日のごはんからご褒美分を引いて与えるだけになりますから、うんとカロリー計算が楽になります。
フードはおやつの代わりにできず、与えても「おやつまだ?」と待っているようなワンちゃんには、おやつの大きさを小さくしてみてください。
ワンちゃんはおやつの大きさよりも、もらえる回数に満足度が上がります。
あげてはいけない野菜は中毒や尿結石の原因になるもの!
犬は肉食ではありませんが、肉食に近い雑食動物です。
そのため、野菜の栄養素は必要ではありますが、野菜から積極的に栄養を摂取する必要はありません。
ドッグフードに含まれている栄養素で十分です。
ですが、それでもかさ増しとして野菜を加え、低カロリーで満腹感を与えたいのであれば、次の野菜を与えてもよいでしょう。
- にんじん
- キャベツ
- 大根
- ブロッコリー
- 白菜
いずれも、野菜の消化は得意ではありませんから、野菜の割合を10%程度にとどめ、よく煮て柔らかくし、細かく刻んだりすりつぶしたりして与えましょう。
キュウリやトマトなら加熱せずに与えることができて、水分が多く低カロリー。
我が家の愛犬たちも大好きで、冷蔵庫から取り出しただけで飛んできます。
きみたちのじゃないんだけど…
おすすめできない野菜は次の種類です。
野菜と理由を表にまとめましたので、参考にして下さい。
野菜 | 理由 |
じゃがいも かぼちゃ | 炭水化物類は野菜の中でもカロリーが高い |
ごぼう | 繊維が豊富で、消化不良を起こしやすい |
たまねぎ ニラ | 中毒を起こす成分が含まれている |
ほうれん草 長芋 | シュウ酸などの成分が尿結石の原因になる |
食べてもよい野菜でも、食べ過ぎは消化不良や栄養バランスを崩す原因になります。
おやつとして与える場合も、全体の10%を超えないように注意しましょう。
犬のダイエットで与える量は目標体重を目安にする
ダイエット中のワンちゃん、袋の目安を見て、愛犬の体重の目安をそのまま与えていませんよね?
例えば、適正体重が3kgのワンちゃんが太って5kgになってしまっている場合、このワンちゃんの体が必要な栄養は体重3kgのフードの量です。
3kgの栄養で十分な体に5kg分の栄養を与え続けては太り続けて当然ですよ!!
せっかくきちんと測って与えていても、犬がカロリーオーバーになりダイエットが失敗してしまいます。
さらに言うと、同じものを食べていても太っている人と痩せている人がいますよね?
いくら食べても太らない人がいるように、犬にも「体質」というものがありますから、目安の量で与えると太ったり痩せたりする場合は量を調整します。
もちろんですが、おやつで与えている分の量をフードから引いてくださいね。
ここで、フードをおやつにしておくと、1日量のフードからご褒美分を取り分けるだけですから、計算が簡単になりダイエットが成功しやすくなります。
犬のダイエットにはグレインフリーより低GIやL-カルニチン
グレインフリーとは小麦やとうもろこしなどの穀物を使用していないフードです。
犬は穀物の消化が苦手なことや、穀物アレルギーの犬もいることから、グレインフリーのフードが販売されています。
グレインフリーにすることで、遺伝子組み換えされた穀物が混入することも避けられます。
そのため、穀物が含まれているフードを食べても消化不良やアレルギーを起こさず、遺伝子組み換えの心配がないのであれば、わざわざ高いグレインフリーのフードを選択する必要はないでしょう。
さらに、穀物を使用しない代わりにじゃがいもなどを使用しているグレインフリーフードはカロリーが高くダイエットには向いていません。
玄米やさつまいもなどの低GIの食材を使用したグレインフリーのフードはダイエットにも有効です。
グレインフリーでダイエットするなら低GIの食材
小麦などの使用を避け、玄米やさつまいも・いんげん豆などの低GI食材を使用しているグレインフリーフードであれば、ダイエット効果が期待できます。
グレインフリーのフードにより、どの食材を使っているかは異なりますので、グレインフリーを基準に選ぶのではなく、原料を確認しましょう。
次は、低GIの食材にどのようなメリットがあるのか解説していきます。
低GIの食材は空腹感を長時間抑えられる
低GIの食材とは、血糖値の上昇曲線が緩やかな食材を言います。
米などは高GIの食材と言え、血糖値が一気に上がり、一気に下がります。
高い血糖値が一気に下がると、生き物は強い空腹感を感じるため、食べ過ぎの原因となっています。
低GIの食材はゆっくり血糖値が上昇し、ゆっくり下降するため、空腹感を感じるまでの時間が長く、また空腹感の強さも弱まります。
食べたい!食べたい!が落ち着き、ゆっくりごはんを食べ、消化にも良く一石三鳥です。
それは、血糖値の浮き沈みが落ち着き、長時間お腹が空きにくいという特徴は、集中力をあげる効果も期待されているからです。
ラムに豊富に含まれるL-カルニチンは脂肪燃焼に働く
L-カルニチンは脂肪を、ミトコンドリアの脂肪燃焼工場へ運搬する作用をもっています。
このL-カルニチンは、ラム肉にずば抜けて多く含まれている成分です。
ラムを含むドッグフードも複数のメーカーから製造されております。
臭いが苦手という方は、L-カルニチンが添加されているフードを選ぶとよいでしょう。
ダイエットのサプリメントなら筋肉タイプ
ダイエット中のワンちゃんには、筋肉をつけるサプリメントをおすすめしています。
筋肉がつくことで、代謝がよくなりカロリーを消費しやすくなります。
1番おすすめしているのが、こちらの【フレキサディン アドバンス】。
犬の大きさに関係なく、1日1個あげるだけ。
嗜好性が高く、多くのワンちゃんが喜んで食べ、リピート率も高いサプリメントです。
小さなワンちゃんには、1個が大きいため、砕いて与える必要があります。
次におすすめするなら、関節をサポートするサプリメント。
体重を支えている関節を保護することで運動することへの不安も減ります。
まとめ
- 犬のダイエットは体重だけを目安にすることはできず、筋肉とのバランスが重要である。
- 普通のフードを減らして与えると栄養素が不足するため、ダイエット用のフードに切り替えると量を減らす必要がなく満足感も得られる。
- 犬は運動でダイエットを成功させることは難しく、おやつは量より回数を増やして満足度を上げるなど工夫が必要である。
- 野菜を与える必要はないが、与えるなら全体の10%にとどめ、消化不良や病気の原因になる成分をなるべく含まないものを柔らかく煮て与える。
- フードの量は肥満時の体重ではなく、標準体型時に想定される体重量に合った量を目安とする。
- グレインフリーのフードはアレルギーや消化不良の心配がある犬でなければ、わざわざ与える必要はなく、低GIの原料を使用しているのであればダイエット効果を期待できる。
- L‐カルニチンもダイエット効果を期待できる成分である。
- サプリメントを検討するなら筋肉がつくものがおすすめ。
それでもなかなかダイエットがうまくいかない、というワンちゃんは何か疾患が隠れてる可能性があります。
クッシング症候群で肥満体型に見えたり、ステロイドの副作用で食欲増進している可能性もあります。
定期的に動物病院で診察を受けると、体重のチェックもでき、病気の早期発見ができます。
心配な時は気軽に相談しましょう。
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