先日、知人が新しく迎えたという子犬と一緒に、お散歩に行ってきました。
お散歩中に彼がお口にしたものは、なんと石、枝、木の実、雪、葉っぱなどなど。
犬が拾い食いをしてしまう理由には、もともと犬の習性が関与しています。
ワクチンが終わってお散歩デビューしてみたら、想像とのギャップに驚かされるかも知れません。
好奇心旺盛な子犬は、目についたものならなんでもかんでも、片っ端から口に運びたがりますよね。
ですが、落ちているものには危険なものもあり、飲み込んでしまったら、うんちに出てくるまでは不安な毎日を過ごすことになります。
拾い食いの理由や危険性を理解して、しっかりしつけや対処をしましょう。
危険なものを食べてしまった時の対処法やどんな症状が出るのかも解説していきますが、まずは拾い食いの理由から。
犬が拾い食いをする理由は口でものの情報を得ているから
犬が拾い食いをする理由は、見つけたものの匂いや噛み心地などから、様々な情報を得る習性があるため。
赤ちゃんが、初めて見たものを手で触って、硬さなどの感触を確かめる理由に似ています。
犬には、土がついているから汚いとか、落ちているうんちから寄生虫などに感染するかも知れない、といった感覚はありません。
お散歩しながら匂いをかいで、舐めたり口に入れて、色々な物の情報収集するのは、犬にとってお楽しみのメインです。
それが拾い食いといった行動になってしまい、叱られても犬には理由が理解ができません。
犬の拾い食いをしつけで防止するなら好きなものとトレード
落ちているものの中には、除草剤の撒かれた草や、尖ったものなど、拾い食いをすると危険なものもたくさんあります。
こういった拾い食いのリスクから愛犬を守るには、日頃からのしつけが欠かせません。
拾い食いを防止するための基本的なしつけ方法から解説していきます。
また、危険なものを口にしてしまったにもかかわらずしつけがうまく通らないこともあるかもしれません。
そんなときのために、基本の犬の口の開け方も一緒に解説します。
覚えておくと、犬の歯磨きや薬を飲ませる時にも便利ですよ。
好きなものとトレード♪おやつやおもちゃを使って
これは自宅でも練習できる方法で、スリッパなど、おうちの中でくわえて欲しくないものを口にしてしまった時の対処法としても使えます。
まずは「はなして」もしくは「ちょうだい」、「だして」など、このしつけでかける言葉を家族内で統一させましょう。
ここで決めた言葉のことをコマンドと言います。
口に入れたものを出すしつけ
愛犬が口にしてほしくないもの、例えばスリッパなどをくわえたら、お気に入りのおやつやおもちゃを見せて、コマンドの言葉をかけましょう。
離したタイミングでおもちゃを与え、目を見てよく褒めます。
おもちゃで遊んでいるときはおやつを見せ、コマンドの言葉をかけ、トレードできたら目を見てよく褒めましょう。
なかなか離さないときは片側を持って動かさない
なかには口にいれたものをなかなか離さないので、うまくコマンドを覚えさせられないこともあるでしょう。
そんなときは、くわえているものの片側を掴んで動かさないようにすると、いずれ離すのでそのときを見計らってコマンドを言うようにします。
頭の動きに合わせて手が動いてしまうとなかなか離さないばかりか、遊んでもらっていると勘違いしてしまい覚えさせることができません。
このとき、決して犬の力に負けて離してしまうことのないよう気をつけましょう。
成犬になって力がつく前の、子犬のうちに行うのが望ましいです。
怒るときは始めから片側を持た状態で噛ませる
しつけようと、ものをくわえている犬に近づくだけで取られると思い唸る犬や、怒って人の手を噛むことさえあります。
こういった性格の犬は、より離すしつけが重要になるため、根気よく、離すとよいことがあると教えましょう。
くわえているものの片側を掴みに行くと怒る犬には、始めからおもちゃの片側を持ったまま噛ませます。
同じように犬の頭の動きにはついていかず、掴んだ手は動かさないようキープしましょう。
動いているおもちゃには興味を示して遊びますが、動かさないおもちゃはつまらなくなり離す傾向があります。
離す瞬間にコマンドの言葉をかけ、離したら褒めたりおやつをあげたりして、離すとよいことがあることを何度も教えましょう。
拾い食いしそうになったらリードを一瞬引っ張って
犬の方が嗅覚も優れていて地面に近く、犬より先に飼い主が危険なものを見つけて回避することは困難です。
夕方になるとよりいっそう犬にはかないません。
今からお伝えするリードショックは、一瞬リードを引くことで、ハッと気づかせ一時的に行動をストップさせる方法です。
ですが、動物に痛みや恐怖を与えると否定的な意見が圧倒的に多い手法でもあり、慣れていないとおすすめできません。
痛みや恐怖を与えないよう、首輪ではなくハーネスを使用している方におすすめで、引くと首が閉まるチェーンチョークを使用されている方も控えて下さい。
頚椎や首自体に負担をかけることがあります。
リードショックの仕方
リードがグイグイと引っ張られた状態は行えませんので、リードショックを行う前に、リードの張りに少し余裕をもたせます。
一瞬だけピンっとリードを引きますが、すぐに緩めましょう。
引っ張ったままではただの引っ張り合いっこです。
えたいの知れないものや危険と思われるものに鼻を近づけたときは、この方法で興味を一旦リセットできますよ。
犬の負担にならないよう、少しずつ練習して慣れると便利です。
無理やり口をこじ開ける方法は緊急時に!!できると安心の手法
危険なものを口に入れた瞬間を目撃したときは、緊急ですから、確実に口から出したい場面ですね。
しつけで出させるのがベストですが、上手くいかないときは、その場で口を開けさせて出すのが一番安心です。
ですが、この方法は手を噛まれて怪我をする可能性があるため、性格や犬の大きさを考慮して無理はしないようにして下さい。
また、取られまいと今後の拾い食いの腕を上げてしまう可能性もあります。
口を開けることが難しい場合は、早急に動物病院に連れて行きましょう。
もし口の開けられるようになると、歯磨きや薬を飲ませる時にも活用できますよ。
口の開け方
利き手と逆の手(右手が利き手なら左手)の親指と人差指を犬歯の後ろに入れ込みます。
利き手の中指で下あごを下に押して開き、親指と人差指で口の中にあるものを取り出します。
せっかく見つけたものを取られるので犬はかなり嫌がりますが、この方法で知人の犬は拾い食いの回数が徐々に減りました。
うぉんうぉんうぉん…
めっちゃ文句言うとる…
知人は動物病院で「成長すれば落ち着くでしょう」と言われたようですが、それまで拾い食いさせ放題というわけにもいきませんよね。
しつけを習得するまでの間、専用のグッズで対策する方法もあります。
犬の拾い食いに口輪などの防止グッズは効果的!?
きちんと匂いなどは楽しめるけど、拾い食いはできない、といったくちばしタイプの口輪があります。
拾い食いだけではなく、お散歩中に犬が誰かを噛んでしまう、といった事故も防げます。
中には、犬が嫌がって口輪を外してしまった、つけると暴れる、といった低評価もありました。
口輪を装着したら、すぐに犬をお散歩に連れ出して気を紛れさせる、という対策で解決している方もいますよ。
また、柔らかいシリコンでできているため、拾い食いを防止しながら、装着したまま舌を出したり、水を飲むことが可能です。
通気性にもきちんと配慮されていますよ。
犬が拾い食いをして嘔吐や下痢などの症状が現れたら動物病院
犬が拾い食いして腸などに詰まると、まず嘔吐を繰り返します。
たばこの吸い殻やチョコレート、鋭利なものなど、危険なものを犬が拾い食いしてしまったときは、嘔吐などの症状がなくても、早急に動物病院へ連れて行きましょう。
ケロッとしているから大丈夫だろうと様子を見ていると、みるみるうちによだれが出て嘔吐、ふらつきなど中毒症状が一気に進むこともあります。
一見分かりにくくても、犬にとっては、拾い食いすると危険なものがお散歩コースにはたくさん潜んでいますよ。
- 寄生虫
- 犬にとって中毒を起こす食べ物
- 除草剤のかかった草
- 有毒な植物など
誤食は優先して緊急処置を行うレベル。
胃にあるうちは吐かせる処置ができますから、早めに動物病院を受診しましょう。
中毒や危険な拾い食いの症状
拾い食いで有害になる例は異物の閉塞、中毒、鋭利なものが消化管を傷つけるなど。
その結果、次のような症状が現れます。
- 下痢
- 嘔吐
- 腹痛
- 元気がない
- 食欲がない
- よだれが出る
- 荒い呼吸
- 落ち着きがなくなる
- ふらつき
- 震えなど
最悪の場合、開腹手術により摘出しなければなりません。
以前にお祭り会場でやきとりの串を拾い食いしてしまったシーズーが開腹手術になってしまったことがあります。
便に出てくるまで待てるものなら良いのですが、出てくるまでは、どこかで詰まっていないかと安心できません。
犬の拾い食いはいつまで?成犬になっても治らない!?
お散歩中は気が抜けなくて、いつまで犬の拾い食いに悩まされるのだろうか気になりますね。
犬の拾い食いは成犬になると落ち着くと言われています。
それは、子犬の時期の好奇心が少しやわらぐからでしょう。
ですが、成犬になっても、難ならおじいちゃん犬になっても、見つけたものにすぐ飛びつく、いつまでも拾い食いの癖が抜けない犬はいます。
いつまでも続く可能性がありますから、しつけで対処するのが一番理想でしょう。
まとめ
- 犬が拾い食いする理由は、犬の習性が関与しているから
- 口にしたものを出させるしつけをしていると危険なものを口にしたときに安心
- しつけが難しいときは拾い食いを防止できるグッズの利用も推奨される
- 危険なものを拾い食いをしたときは、中毒や閉塞のリスクがあるため、早急に動物病院を受診する
- 好奇心が旺盛という理由から、子犬の時期の拾い食いがピーク
- 成犬になっても拾い食い癖が続く犬もいる
犬が拾い食いをしてしまう理由は本能によるものです。
愛犬が自分で見つけた宝物は誰にも渡したくない習性もありますが、見過ごすと大きな問題になりかねません。
しっかり対処していきましょう。
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