ペットショップで生体を購入した際に、加入を勧められることも多いペット保険は、入るべきか断るべきか悩むところ。
結論から言うと、ペット保険は加入するのがベスト。
動物病院では全額実費になると、どれくらい請求されるか想定することが難しくなっています。
そこで、保険に入っていると、全額支払わなくて済むため、受診の際の安心材料にもなります。
保険に入らず、実費で支払うと、検査と薬だけで1万円ほどかかってしまい、さらには手術となると、何十万円と請求されることも。
この記事は、ペット保険に入るべきメリットやペット保険が保証対象外になってしまうポイントについて、現役動物看護師がまとめました!
ぜひ、参考にして、動物病院受診の際の不安を取り除きましょう。
ペット保険がいらないは間違い!!メリットだらけ♪
ペット保険をいらないとおっしゃる方は、きっと飼われている動物があまり病気をしないのでしょう。
それでも私がペット保険がいらない、という意見を間違いとする理由は、早期治療のきっかけになるなどのメリットが、いくつもあるからです。
ペット保険のメリットをまとめてみました。
ですが、メリットばかりではなく、デメリットが存在するのも確かです。
次にデメリットについてまとめてみました。
まずはメリットから、1つずつ詳しく解説していきますので、ペット保険はいらないと判断する前に、確認していきましょう。
数十万円の高額な手術でも保証される
ペット保険に入っていると、加入している保険のコース内容に応じて、手術代の90%が保証されるものもあります。
手術で多くみられる症例としては、椎間板ヘルニアや膝蓋骨亜脱臼、骨折や腫瘍摘出など。
大きな病院でなくては手術が行えない内容では、術前検査を含め50万円以上かかってしまうことがあります。
保険に加入することで、全額を支払う必要がなくなり、金銭面でも大きな安心感となります。
来院のハードルが下がり早期発見につながる♪
保険に加入していると、一部の負担で治療が受けられるため、来院のハードルが低くなり、体調の変化を感じたその日に来院される方が多い傾向に。
逆に、ペット保険に加入していないと、治療費の負担が心配で、ペットの体調の変化を感じても2〜3日様子を見てしまう方が多い傾向にあります。
そこで数日間、様子を見てしまったために症状が悪化し、かえって治療費が高額になり、回復まで長引かせる結果になりかねません。
人間は、軽い体調不良であれば2〜3日で改善することはよくあることです。
ですが、ペットは言葉が話せない分、飼い主が気づいていない不調を感じている可能性もあります。
ペット保険は、そういった来院のハードルを下げ、早期発見・早期治療を促すことになり負担を減らせます。
病気になっても費用の面での安心感はよき!
費用の面で安心感があるだけでなく、精神的にも負担が大きく減り、ペットの治療に専念することができます。
病気になってしまうと、精神面や時間、費用など多くの面で負担がかかることになります。
先の見えない長期の入院となれば、不安も大きくなります。
保険に加入して、少しでも飼い主の不安が取り除かれれば、ペットも安心して治療を受けられるでしょう。
手続きはなし!会計で保険を適用した額を支払い
一部のペット保険は、病院の窓口で保険適用後の金額を支払えばOK!
実はペット保険は、人間の健康保険のように、病院の窓口で負担額だけを支払うシステムではありません。
生命保険のように、診断名や明細書の送付、請求の手続きを行い、後日、口座に振り込まれます。
つまり、時間と手間がかかる上に、書類に不備があれば再提出となり、明細書に診断名の記載がないなどで、再び動物病院に足を運ばなければならなくなるケースも。
そこをカバーしてくれるのが大手ペット保険会社、アニコムとアイペット。
この2社は、ほとんどの動物病院で、人間の健康保険のように、負担額だけの支払いが可能なため、面倒な手続きが必要ありません。
一部、窓口での精算が非対応な動物病院もありますから、利用する際は、ホームページなどで確認しましょう。
続いて、デメリットについて解説していきますが、今回あげたデメリットは、必ずしもデメリットとは言い切れません。
病気をしない健康優良児には割引などのメリット!
全く病気知らずで、保険を使う機会がなくても割引や無料健康診断が受けられるメリットがあります。
保険会社にもよりますが、保険を使用した回数により、次の年の保険料が割引されます。
つまり、若い年齢から長く加入していると、高齢になってから加入するより保険料を安く抑えることができます。
また、健康診断の費用を保険会社が負担するサービスがある保険会社もあります。
ペット保険を使わない場合でも、加入するメリットはしっかりあります!
高齢になると高額!?継続なら費用も抑えられる♪
高齢になると病気にかかりやすいため、高齢になってからすると保険料が高くなりますが、若い年齢からの継続なら割引になる保険会社がほとんど!
病気が増える高齢の時期こそ本領発揮です。
すでに高齢を迎えてしまっても、諦めないで下さい。
入院・手術では保険の対象になりませんが、通院のみ適用のシニアコースを用意している保険会社も。
使用目的は限られてしまいますが、毎月の保険料をリーズナブルに抑えることができます。
ここからは、保険が適用にならないポイントを詳しく解説していきます。
ペット保険で保証対象外!?適用外になる基準は5つのポイント
デメリットにもあるように予防関係や予防できた病気、ペット保険に加入する以前にかかっていた病気は保証対象外です。
また、症状がないものについてもペット保険は適用されません。
ペット保険の保証対象外になってしまう大事なポイントは5つ。
- 症状がなかった
- ワクチンなどの予防関係である
- 予防できた病気であった
- 保険加入前に罹患していた
- 保険証を忘れた
保険証を持っていったが、保証対象外となり予定外の出費になってしまった、ということのないようチェックしていきましょう。
症状がないと処置をしても保険対象外
症状があったのか、なかったのかが大きな鍵となります。
同じ処置であっても、怪我や病気に繋がるのを予防するケア目的の処置なのか、すでに症状があって改善させるための治療なのかで、保険対象・対象外の判断がされます。
たとえば、次にあげる一例も処置の内容がほぼ一緒である部分がありますが、症状がないものは治療とは言えず保険が適用できません。
保険対象外 | 保険対象 |
日常ケアの爪切り | 折爪による出血の処置や爪切り |
歯周病などを予防するための歯石取り | すでに歯周病や痛みが発生している状態で、改善のための歯石取り |
健康診断の血液検査 | 体調不良の原因を探る血液検査 |
療法食の購入 | 入院中に使用したフード代 |
避妊手術 | 子宮蓄膿症による子宮卵巣摘出術 |
実は、動物病院のスタッフも、これは保険の対象になるのか?と判断に悩む症例も時々あり、保険会社に問い合わせることがあります。
例えば、飼い主が来院のきっかけとして訴えている症状が病的ではなく、診断として分類できない時など。
複雑なパターンもあり、対象と対象外を間違えて計算をし、保険会社から確認の電話がかかってくることもあるのです。
ワクチンやフィラリア予防など・感染症・サプリメントは対象外!!
日常ケアや病気にならないための予防薬、予防できた感染症は保険適用になりません。
混合ワクチンや狂犬病ワクチン、ノミ・ダニ予防薬やフィラリア予防薬は症状もなく、予防目的となりますので保険適用外です。
避妊・去勢手術も、です。
さらに、ワクチンで予防できた感染症、予防薬で避けることの出来たフィラリアやノミ・ダニの感染については保険適用外になります。
また、薬と同様に処方されることのあるサプリメントは、医薬部外品にあたり保険適用されず、自宅で食べることを目的とした療法食にも適用はされません。
ペット保険加入前にわずらっていた病気は対象にならない!
ペット保険に加入する際に、健康診断書の提出や、かかっている病気がないかの自己申告が必要になります。
それは、加入前にかかっている病気にはペット保険が保証対象にならないためです。
手術が決まり、高額な治療費がかかることが分かってから加入し、保険で出費を抑えよう、といったことは禁止されていますので注意しましょう。
保険証を忘れると窓口では対応できない
窓口で精算できる保険会社と動物病院でも、保険証を忘れてしまうと、窓口で精算できません。
サイトなどを利用して保険証の番号や動物の情報を入力し、承認番号を取得して初めて窓口精算ができます。
そのため、保険証がないと、手続きができず、窓口で保険適用での精算ができません。
動物病院で発行される明細書を添付した請求書を用意し、飼い主本人が請求手続きを行えば、後日、きちんと口座振り込みで保険適用分が戻ってきます。
少し手間と時間はかかりますが、保険証を忘れても適用外になるわけではありませんのでご安心を。
まとめ
- 動物病院は高額な診療になることが多々あるため、ペット保険への加入はおすすめである
- 来院しやすくなり、早期治療にもつながりペットの負担も軽くなる
- ペット保険は金銭面で安心感があり、精神面の不安も取り除かれ、治療に専念できる
- 面倒な手続きはいらず、動物病院で保険適用後の支払いができる保険会社がある
- 保険を使わなくても今後の割引や、健康診断無料など様々なサービスを用意している保険会社がある
- 症状がないものは治療にならず、保険が使えない
- 予防関係やペット保険加入前にかかっていた病気には保険が適用にならない
予防や健康診断のための受診で保険証はいらないと感じても、症状が見つかることもありますので、毎回持参することをおすすめします。
ここで説明したペット保険についての大まかな概要はどこの保険会社も大抵は一致しています。
ですが、独自の設定をしているペット保険もありますから、ご自身の入られる保険会社の概要をよく確認して下さい。
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